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レコードチャイナ 配信日時:2012年5月20日 7時4分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61412&type=0
中国に対する欧米諸国の10大誤解とは―米メディア
2012年5月17日、米華字紙・僑報によると、米経済誌フォーブスは、破竹の勢いで発展を続ける中国に対して欧米諸国はマイナス面の評価を下しがちだが、そこには大きな読み間違いがあると指摘した。
世界第二の経済体として、中国の発展はますます注目を集めている。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、中国は今後10~20年の間に米国を抜いて世界一の経済体になると予測している。
中国の台頭は欧米諸国を緊張させ、中国や中国経済に対して一連のマイナス面の評価を引き起こしている。
しかし、これは中国に対する読み間違いに起因するものであり、その主な内容は次の通りである。
■誤解その1.中国共産党の権力が弱まりつつある
経済の崩壊がない限り、中国でこれに類似することは起こらないだろう。
国民は安定した社会と持続的な経済発展を望んでおり、急進的な社会現象は個別の案件にすぎない。
■誤解その2.米国式の個人主義が中国にすでに根を下ろしている
一部の若者の個性の追求は個人主義ではない。
中国社会の基本単位は依然として家庭であり、個性の追求は青春時代の反抗の現れにすぎない。
■誤解その3.中国人は信仰を持たない
中国は生きるために働く時代を脱し、人々は自分自身の価値を求めるようになった。
しかし、経済発展と改革開放は中国の伝統的な価値観を消し去っておらず、平和と和諧(調和)は依然として最終目標であり、
個人主義に反対する考え方は依然として普及している。
■誤解その4.インターネットが中国に革命的な変化をもたらす
インターネットが中国社会を良い方向に変化させたことに疑いの余地はない。
ネットユーザーはマイクロブログなどで様々な意見を発しているが、革命的変化をもたらすことはないだろう。
■誤解その5.中国市場は欧州に似ている
地理と政治の差を除いて、中国と米国は同様に1つの統一国家であり、中国の市場も同様である。
異なる省間の競争はあるにせよ、それは文化や政治上の違いが原因ではなく、かつてのバルカン半島諸国のようにお互いが対立することはあり得ない。
従って中国が欧州に似ているという見方は成立しない。
■誤解その6.中国の消費者は理解しがたい
中国人女性は宝石は好きだが、「宝石で飾り立てている」と言われるのは嫌いである。
中国人男性はアウディやBMWに乗ることで自身の身分を顕示したがるが、マセラティを運転して富をひけらかすことは嫌いである。
こうした特性を理解すれば、中国人消費者の習慣や好みも理解しやすくなる。
■誤解その7.中国の成長モデルが危機に面している
短期的には経済成長が減速する可能性もあるが、長期的に見れば現在の成長モデルにはまだ合理性が存在しており、経済改革の理念も政府や大衆の観念に深く入り込んでいる。
■誤解その8.中国企業の発展が米国人の就業機会を奪う
中国の再生可能エネルギー業界やIT業界が米国を追い抜くには少なくとも数十年を要するため、
中国企業の発展が米国人の失業を招くという心配は存在しない。
■誤解その9.中国が唯一の超大国になる
米国は公共の利益を唱え、これに基づいて世界で行動している。
一方、中国は自身の発展と経済建設をより重視しており、たとえスーパー経済体になったとしても世界を治めるとは言わないだろう。
■誤解その10.中国の軍事脅威論
中国は軍事力を増強しているが、これを使って米国に挑戦あるいは隣国を侵犯することは永遠にない。
中国の「平和主義」は軍事力の使用を自身の保護と防御にのみ選択させる。
中国には本来、戦争を渇望する文化的伝統は存在しない。
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英エコノミスト誌 2012年5月26日号 The Economist 2012.05.28(月)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35302
中国経済はどれほど強いのか?
世界第2位の経済大国は、このところ成長が減速しているが、その抵抗力は懐疑派が考えている以上に強い。
世界経済における中国の重要性は大きい。
当然、世界の注目も集まる。
この4月がそうだったように、中国の鉱工業生産や住宅建設、発電量の前年比の伸びが急激に減速すると、そのニュースは世界の株式市場やコモディティー(商品)価格に重くのしかかる。
5月に実施されたように、中国の中央銀行が金融緩和に踏み切ると、それは米連邦準備理事会(FRB)の決断と同じくらい大きな話題になる。
また、5月20日にそうしたように、中国の温家宝首相が成長を維持する必要性を強調すると、その言葉は、欧州首脳の口から出た同様の成長賛歌よりも市場での影響力を持つ。これほど広く注目を集める産業革命は過去に例がない。
だが、今週の本誌(英エコノミスト)の特集記事でも触れているように、急速な発展も詳しく見ると混乱をはらんでおり、中国経済には問題点が多い。
驚くほど非効率的で、公平さは本来あるべきレベルに達していない。
だが、外部の人間が抱く最大の懸念、つまり、例えばユーロの崩壊のような深刻な打撃を被れば中国の成長は頓挫するという懸念には、正当な根拠がない。
今のところ、中国経済の抵抗力は、口さがない向きが恐れているよりも強靱と思われる。
中国経済が抱える問題は決して小さいものではないが、それが表面化するのはもっと後のことになるだろう。
■不公平だが、不安定ではない
外国人は中国のことを、輸出主導の効率において模範的な国と見なしがちだ。
だが、それがすべてではない。
2011年の中国の成長の半分以上を占めているのは、機械、建物、インフラへの投資だ。
純輸出は、この年の成長に全く寄与しなかった。
これらの投資は、あまりにも多くを国営企業が担っている。
国営企業は、隠れた補助金や保護された市場、政治の後押しを受けた融資による恩恵を受けている。
無駄遣いの例は、北部の大草原地帯のゴーストタウンから南岸の退廃的なリゾートまで、山ほどある。
中国の経済モデルは、国民にとっても不公平なものだ。
銀行は、金利規制のおかげで、預金に対して十分な利息を払わず、預金者を食い物にすることが可能になっている。
国営企業は、競争を妨げる障壁のおかげで、消費者に法外な値段で商品を売りつけることができる。
戸籍管理制度のせいで、都市部で働いているが農村部に戸籍をもつ出稼ぎ労働者は、元々の都市住民と同等の公共サービスを受けることができない。
恣意的な土地法は、地方政府が開発のために農地を安く買い叩き、農民を搾取することを可能にしている。
そして、その利益の大部分は役人の懐に消えてしまう。
中国を批判する向きは、こうした縁故主義と浪費を理由に、急成長の後に大々的に破綻したほかの国々と同じだと指摘する。
直近の例として挙げられるのが、1997~98年に金融危機という報いを受ける前のアジアの虎だ。
アジアの虎と呼ばれた国々では、高い投資率がしばらくの間は成長を牽引していたが、同時に金融面での脆さも助長した。
そして、輸出が減速し、投資がぐらつき、外国資本が逃避した時に、その脆さが残酷なほどあらわになった。
批判者たちは、中国では投資ペースがアジアの虎を上回っているだけでなく、国内銀行などの貸し手が驚くほど融資の大盤振る舞いをしたと指摘する。
政府が大規模な「刺激融資」を実行したことで、2008年にはGDP(国内総生産)の122%だった国内融資額は、2010年には171%に跳ね上がった。
■不公平な制度こそが中国に与える力
だが、この制度的な不公平さこそが、中国に並外れた抵抗力を与えている。
アジアの虎たちとは違い、中国は外国からの借り入れにほとんど依存していない。
成長の資金源になっているのは、かつての東南アジアで見られたような(そして今またユーロ圏の一部で見られているような)いつでも逃げ出せる移り気な外国の投資家ではなく、
自国の国民だ。
中国の貯蓄率はGDPの51%で、投資率よりも高い。
そして、その貯蓄を預かっている抑圧的な政府主導の金融システムは、支払い遅延やデフォルト(債務不履行)に対処するうえで、有利な立場にある。
最も目につくのは、中国の銀行の流動性の高さだ。
預金の受け入れは融資実行を補って余りあるほどで、預金総額の5分の1を中央銀行に準備金として預けている。
そのため銀行には、期日を遅らせれば回収できるかもしれない問題融資を繰り延べたり、都合のよいタイミングで減損処理をしたりする余地がある。
また、中央政府が最後の守りとして控えている。
中央政府の公的債務はGDPの25%程度にすぎない。
地方政府の債務を加えれば、この債務比率は2倍になるかもしれないが、中国には明らかに、支払い不能に陥る恐れのある銀行の自己資本を増強するだけの財政的余裕がある。
さらに、この財政的余裕のおかげで、欧州への輸出が激減したとしても、中国政府は再び成長促進策を取ることができる。
信用収縮が欧米の顧客を襲った際には、中国政府は多額の資金をインフラに投じた。
インフラ以外にも、資金を投入する先はいくらでもある。
例えば、農村部の医療への取り組みを強化してもいいだろう。
中国ではいまだに、ホームドクターの数が国民2万2000人当たり1人にとどまっている。
老後の医療を国に頼れるとなれば、一般国民は、貯蓄を減らして消費を増やすはずだ。
中国の家計消費が経済全体に占める割合は3分の1程度にすぎない。
■時が味方をする
これこそが、中国が直面する長期的な問題を浮き彫りにしている。
今後数年の衝撃に耐える力となるまさにその歪みと不公平さが、長期的には中国の足を引っ張るだろう。
高齢化が進み、労働者の賃金が上がるにつれて、中国の驚異的な貯蓄率は下がり始めるはずだ。
資本を国内に囲い込んでおく力も、既に弱まりつつある。
利率の低さにうんざりしている預金者たちは、別の選択肢を求めている。
一部の人は、資金を国外へ移す方法を見つけ、それが珍しく人民元にかかっている下落圧力の一因になっている。
4月の中国の銀行預金の増加率は、前年比で過去最低だった。
したがって、中国は資本をもっと賢明に活用する方法を学ばなければならない。
そのためには、無駄の多い国営企業がいまだに支配する実入りの良い市場で、民間投資を妨げている障壁を撤廃する必要がある。
また、甘やかされた銀行システムを厳格化し、社会保障ネットを強化する必要もあるだろう。
今後10年で迫られる政治改革と社会改革の必要性は、言うまでもない。
中国の改革には、まだやるべき大仕事が残されているが、その一方である程度の時間もある。
悲観論者は、中国を日本になぞらえる。
日本も中国と同様、1991年のバブル崩壊時点では債権国だった。
だが、日本のバブルが崩壊したのは、1人当たり国民所得が米国の120%(市場為替相場ベース)になってからのことだ。
中国の1人当たり所得がそのレベルに達するとすれば、中国経済は米国の5倍の規模になっている。
それはまだずっと先の話だ。
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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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ニューズウイーク 2012年05月28日(月)18時14分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2012/05/post-2557.php
曲がり角の中国経済を占うこの数字
China's Economic Model: Just How Weak Is It?
成長率は鈍化し輸出入も激減、それでもユーロ圏やアメリカより危機に強い理由
トマス・ミュシャ
中国のお見合い番組である時、出演した女性がこう言った。
「自転車の荷台で笑うより、泣きながらBMWに乗るほうがまし」。
物欲旺盛な今どきの中国女性たちを見事に言い表した言葉だ。
中国の人々にとって自転車は貧しい庶民生活の象徴だが、一方で中国経済を表す格好の例えとしても用いられる。
「ペダルをこぎ続けるかぎり、万事順調に進む」
というわけだ。
エコノミスト誌のアジア経済エディター、サイモン・コックスは中国経済についてこう書いている。
自転車(特に重荷を積んだ自転車)は、進み続けないとバランスを崩してしまう。
中国経済も同じように言われることがある。
勢いを失った途端に倒れてしまうだろう、と。
しかし、この例えは時代遅れかもしれない。
もはや中国政府はGDP成長率8%を達成しなければならないとは考えていない。
今年3月には成長目標を7・5%に引き下げた。
それに、最近の中国経済を牽引しているのは輸出ではない。
投資だ。
工場や機械、インフラなど近代化にかかわる分野への投資が盛んに行われている。
中国経済のいったい何が変化しているのか。
短期的に見れば、中国はいたるところ問題だらけだ。
工業生産は低下し、住宅建設も減少。鉄鉱石や半導体などの需要は鈍化し、輸出入は激減している。
こうした不確実性の上にさらにのしかかっているのが、不安定な政治体制だ。
中国共産党指導部が10年に1度の大規模な体制移行期を迎えた今、さまざまな問題が噴出している。
■外国からの借金には頼らない
しかしエコノミスト誌は先週、中国にはまだ十分に強みが残っていると分析した。
中国は外国からの借金にほとんど頼っていない。
かつての東南アジアや現在のユーロ圏のように流動的な外国資本を頼りにするのではなく、中国経済の成長は内需によって支えられている。
中国の貯蓄率はGDPの51%で、投資率さえ上回っている。
こうした金は中央政府が統制する金融システムに蓄えられ、いざという時には返済遅延やデフォルト(債務不履行)に対応できるようになっている。
その上、中国政府が抱える債務はGDPの約25%程度。
GDP比100%近いアメリカなどの国々に比べれば、大した数字ではない。
債務比率が低いことで、中国政府には必要な時に経済を刺激する余裕が生まれる。
これだけ強みがあれば、中国はユーロ圏など外から危機が降りかかってきても十分持ちこたえられる......といいのだが。
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中国の強いのは「中国経済の成長は内需によって支えられている」ということと、中国は「借金をしていない」というのが要因だと思う。
ということは、日本は1000兆円の国債を発行しながら外国からは借金はしていないし、経済の貿易への依存度は15%程度で、国際貿易の要因は経済を圧迫するものになっていないことから、
表面的には中国と日本は非常によく似ている
ということになるのだが。
「失われた10年」と言われていた時代にあっても、日本はナンバー2の経済大国を維持していた。
失われたといわれつつも、その間十数年、ナンバー2であったということは、何か矛盾しないだろうか。
昨年、やっと中国が日本を超えて肩の荷を下ろしたが。
ということは、日本と中国以外はこの十数年、失われつづけた年月を経たということになる。
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