2012年5月16日水曜日

韓国への戦略核再配備論、中国を圧迫か

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/14 10:24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/14/2012051400878.html
米で韓国への戦略核再配備論、中国を圧迫か

米下院軍事委員会が、韓国に戦術核兵器を再配備することを盛り込んだ「国防授権法改正案」を可決した。
これについて、ワシントンの外交筋は12日
「戦術核兵器の再配備に向けた意見は、現実化するかどうかはともかく、中国を圧迫することが狙いとみるべきだ」
と指摘した。

「核のない世界」を主張するオバマ政権が戦術核兵器を韓国に再配備する可能性は極めて低いが、実際の狙いは、中国に対し「目と鼻の先に米国の核兵器が配備されるのが嫌ならば、北朝鮮に対する影響力を行使し、挑発を抑えろ」というメッセージを送ることだとする見方だ。

■1991年に撤収

韓半島(朝鮮半島)の戦術核兵器は、H・W・ブッシュ政権当時の1991年9月、米ソが戦術核兵器の削減で合意し、同年11月の盧泰愚(ノ・テウ)元大統領による「韓半島非核化宣言」により撤収された。
韓国と北朝鮮は同年「韓半島非核化共同宣言」を採択した。
同宣言は一切の核保有だけでなく、核再処理も禁止している。

北朝鮮は最近、事実上の長距離ミサイル発射を強行し、3回目の核実験に向けた準備を進めるなど、挑発的な動きを見せている。
米議会内部では、北朝鮮に対する批判とともに、中国に対する不満の声が高まっている。
米国が北朝鮮に直接行使できるカードがほとんどない状況で、現実的に北朝鮮をコントロールするには、中国の協力が欠かせない。 
しかし、中国は米国の期待に反し、むしろ北朝鮮を支援している。
中国が北朝鮮に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射台に使われる部品を輸出していたことが明らかになって以降、米議会では「中国に北朝鮮経済の命綱を切れと要求すべきだ」(イリアナ・ロスレイティネン下院外交委員長)という声まで出ている。

■中国に行動促す手段

中国に対する不満が具体的な形で表れたのが、今回の戦術核兵器カードだ。
下院軍事委の改正案は共和党主導だが、民主党議員も一部賛成したとされる。
改正案を提案したトレント・フランクス下院議員(共和党・アリゾナ州選出)は
「米国は過去数年にわたり、中国に対し、対北朝鮮交渉への支援を求めたが、中国は逆に核(関連)部品を北朝鮮に売却した」
と述べ、中国が念頭にあることを隠さなかった。

■再配備の可能性は希薄

しかし、韓米政府は、韓半島への戦術核兵器の再配備が現実化する可能性はほとんどないと指摘する。
まず、今回の改正案は民主党が多数を占める上院で廃案となる可能性が高い。
議会で可決されても、オバマ政権が拒否権を行使するとみられる。

「韓半島に戦術核兵器を再配備すれば、北朝鮮の核開発を阻止する名分がなくなる」
との意見もある。
しかし、ホワイトハウスと国防総省の関係者は
「韓半島の非核化を支持する政策に変化はなく、戦術核兵器を再び韓半島に配備する必要はないと考えている」
との立場で一貫している。
韓国政府も北朝鮮に核廃棄を迫る「韓半島非核化共同宣言」の根幹を揺るがしてまで、戦術核兵器の再配備を推進しても利益にならないとみている。
しかし、北朝鮮と中国に対する圧力という意味で、核武装などを選択できる「核のオプション」に可能性を開いておくことには意味があるとの主張も一部存在する。

■戦術核兵器とは

威力が0.1-数百キロトン(1キロトンはTNT火薬1000トン分)の核兵器を指す。
戦闘機、爆撃機から投下する核兵器だけでなく、砲弾、ミサイル、ロケット、魚雷弾頭、兵士が運搬するリュックサック型核爆弾、戦車部隊の攻撃を阻止する核地雷などさまざまな形態がある。

一方、戦略核兵器は、威力が数百キロトンから数メガトン(1メガトンはTNT火薬100万トンに相当)に達する。




朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/14 08:55
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/14/2012051400469.html

「韓国への戦術核再配備論議、日本の右派を刺激」
橋下大阪市長「強い日本をつくるため、核武装が必要」
「非核3原則」守るも、プルトニウム50トン保有

米国の戦術核が韓国に再び配備された場合、日本が核武装するための大義名分を与えかねないと懸念する声が出ている。

日本は憲法で「戦争と武力行使の放棄」を定めている。
1968年1月には「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核3原則」を発表し、これを守ってきた。
日本が数千個の核兵器を製造できる約50トンのプルトニウムを保有しながら、核開発に着手しないのはそのためだ。

ところが最近、日本の非核政策に変化が表れ始めた。
次世代の政治指導者として頭角を現している橋下徹・大阪市長は
「強い日本をつくるためには核武装が必要だ」
と主張している。
また、日本の代表的な右翼政治家、石原慎太郎・東京都知事も日本の核武装を強く求めてきた。
石原知事は今年1月のインタビューで
「(結成を推進している)新党への参加は、核兵器の模擬実験の実施を提唱することが条件だ。
それが駄目なら、スーパーコンピューターを通じてでも模擬実験ができるようにすべきだ」
と語った。
右派政党の支持率の上昇を意識した自民党などでも、憲法改正論議が活発に行われている。
韓国政府は、米国議会で韓国への戦術核再配備を主張する声が出てきたことが、日本の右派を刺激しかねないとの見方を示している。




ANNニュース (05/15 12:35)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220515020.html

米国務省「韓国に戦術核必要なし」 下院可決受け



アメリカの下院軍事委員会が先週、北朝鮮の脅威に備えるため、韓国などを念頭に戦術核兵器を配備すべきとした法案を可決しましたが、国務省は「必要ない」と明確に否定しました。

ヌーランド報道官:
我々は核のない朝鮮半島を支持していて、その方針を変えない。戦術核兵器を韓国に置く必要はないし、配備する計画も意図もない」

ヌーランド報道官は、オバマ政権が一貫して目指す核のない朝鮮半島の方針に変わりはないと強調しまし。
2013財政年度の国防権限法案が、先週、下院の軍事委員会で可決されましたが、その際に、合わせて北朝鮮の核やミサイルの脅威に対抗するため、西太平洋地域に戦術核を再配置すべきだとする野党共和党議員の意見を盛り込んだ修正案も可決されていました。
秋の選挙を意識して、北朝鮮に対して強硬姿勢をアピールする狙いがあるとみられますが、民主党が多数となる上院では否決される可能性が高いとみられています。



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