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サーチナニュース 2012/05/03(木) 12:45
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0503&f=politics_0503_012.shtml
東南アジアへの金銭外交、日中の競争は東南アジアへ
日本が東南アジアのメコン川流域国に対する過去最大規模の政府開発援助(ODA)と債務免除を発表したのに続き、自衛隊がフィリピンの米軍基地に駐屯することが伝えられた。
中国網日本語版(チャイナネット)は3日、これは日本による第2次「アジア版マーシャルプラン」なのかと疑問を呈し、「日中の競争の舞台は東南アジアへ移るのか?」と報じた。
以下は同記事より。
東南アジアは豊富な資源を有し、第二次世界大戦後に日本は「アジア版マーシャルプラン」を打ち出した。
東南アジアと中国の学者は「環球時報」に対し、日本の東南アジア諸国に対する今回の行動は
「大金をつぎ込んで関係をつなぐ」
というやり方だが、その気前のいい「金銭外交政策」の裏側で東南アジアの政治と軍事に介入する動きに注目すべきだとの見方を示した。
■東南アジアを終始念頭に置く日本
日本が東南アジアに対して行う経済、軍事の一連の外交政策について、「朝日新聞」は、日本がメコン川流域5カ国と協定を締結したのは、メコン川流域国に発展の潜在力があることを認識しており、東南アジア諸国の勢いを借りて海外市場を開拓し、中国の同地域での影響力を抑えるためだと見ている。
外交戦略の重点をミャンマーに置いたことについて、「産経新聞」は、ミャンマーは豊富な資源を有するだけでなく、インド洋に通じる戦略的な位置にあり、日本政府は援助を通して東南アジアでの存在感を高めたい考えだとした。
実際、戦略的な位置と豊富な資源は、日本が東南アジアを終始念頭に置いてきた主な理由である。
第二次世界大戦中、真珠湾攻撃を仕掛けた日、日本は東南アジアに攻勢をかけ、フィリピン、インドネシア、ベトナム、ミャンマーなどを次々と占領した。
日本がこうした理由は2つある。1つはインドネシアの石油やマレーシアのゴムなど東南アジア地域の重要な戦略的物資を奪い、米国の経済封鎖から逃れるため。
もう1つはイギリス、フランス、オランダ、米国の東南アジアにおける勢力を排除し、日本の植民地を広げ、インドとオーストラリアに進出するためだ。
第二次世界大戦後すぐ、米国が黙認するなかで吉田茂内閣は「アジア版マーシャルプラン」構想を打ち出し、援助を通して東南アジア諸国を引き込み、共産主義を封じ込め、日本は「重要な役割」を発揮すべきとの考えを主張した。
1966年に日本が戦後初めて主催した国際会議「東南アジア開発閣僚会議」で、日本は毎年GDPの1%を東南アジアに援助し、日本を中心とするアジア開発銀行を設立することを提案した。
日本が東南アジアに介入するこの代表的な出来事から数えて、日本は50年近く東南アジア全域で活発な動きを見せている。
日本経済が上向いた1970-80年代、ベトナム戦争後に米国が東南アジアでの勢力を弱めたのに伴い、日本と東南アジアは急速に関係を深めていった。
日本が打ち出した「雁行陣の効果」は、日本を「トップガン」とし、立ち遅れた生産能力を東南アジア諸国に移転させていくというものである。
1990年代から、日本は東南アジア戦略を政治・安全問題に切り替え、おもに東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)と安全保障対話に関して、力をつけ始めた中国と東南アジアで発言権争いをするようになった。
日本の一部の官僚は「アジアの盟主」になる考えを示し、東南アジアを「主戦場」にしようとしている。
日本の小泉純一郎前首相は、東南アジアを含む「自由と繁栄の弧」をつくる構想を打ち出した。
しかし、日本の経済バブルが崩壊し、東南アジアも1990年代末に金融危機の打撃を受け、日本からの資本や援助が大幅に減少し、「自由と繁栄の弧」構想に賛同する者はごくわずかとなった。
日本は近年、東南アジアの一部の国と日本が中国との主権争いなどにおいて「同じ問題を抱える」状況を利用して互いの関係を近づけ、それに乗じて東南アジアに軍事力を導入しようとしている。
2011年にバリ島で開かれたASEANプラス3首脳会議で、野田佳彦首相はアジアの海上安全保障と多国間で協力する海洋フォーラムの設置を呼びかけ、南シナ海問題を国際化させる動きを見せた。
また、12年に入ってからベトナムやフィリピンが行う日本を南シナ海に介入させる行動は、日本の考えと合致する。
日本・メコン地域諸国首脳会議で採択された『日メコン協力のための東京戦略2012』に、北朝鮮の衛星打ち上げに対する非難、日本人拉致問題への関心などメコン川流域と関係のない事項が記されたことは、日本の意図をはっきり示している。
■日中競争、今後の舞台は東南アジア
東南アジアの資源と戦略的位置に関心を持つ日本が心配しているのは、東南アジアにおける中国の存在だ。
毎日新聞は、近年中国がメコン川に橋をかけたり道路を整備したりと、その流域の開発に力を入れていると報じている。
だがその一方で、ミャンマーが中国と共同で進めていた水力発電用大型ダムの建設を中止したことや、南シナ海問題によってベトナムなどの国々と中国との間に亀裂が生じていることを挙げ、これらの国が中国と距離を置くようになったとも報じている。
2008年までは、日本がASEAN最大の貿易パートナーであり、中国は3番目だったが、11年に中国が日本を抜いてASEAN最大の貿易パートナーとなった。
同時に、中国とASEANの協力態勢も深化し、中国はここ数年で東南アジアの国々の道路や橋、水力発電所等、大量のインフラ建設プロジェクトに投資し、さらに高速鉄道網や石油パイプラインの整備を企画しており、多くの中国企業もASEANへの大きな投資を始めている。
中国に後れを取らぬよう、日本も東南アジアへの投資に力を入れ始めた。
12年の3カ月間においてベトナムに投資を行った26の国と地域のうち、日本の投資金額は第1位で、新しく許可された投資及び追加投資の資金総額の実に88.8%を占めた。
企業投資とともに増えているのが日本政府による援助で、おもにインフラ建設に対して行われている。
報道によれば、インドネシアの水力発電量の61.5%、フィリピンの道路の51%、カンボジアの港湾や海港の73%が日本政府の援助によって建設されたものだという。
また、タイの『The Nation』は、日本自動車工業会はずっとタイ市場に目をつけており、タイ自動車業界における投資は、その70~80%を日本が占めていると報じている。
シンガポール国立大学東アジア研究所上級研究員の藍平児(ラムペンアー)氏は、『環球時報』の取材を受けた際、次のように述べている。
中国と日本のメコン川流域国家との協力をめぐる競争には、それぞれの利益的考慮が存在するが、全体的に見て、地域経済統合の促進剤となっている。
カンボジア平和協力研究所のチェーン・ヴァナリット専務理事は次のように語る。
東南アジアにおける日本と中国の投資は実質上、相互補完性を持ち、経済領域の健全な競争は各方面に利益をもたらすことになる。
しかし、ASEANは日中両国が当該地域において政治戦略面での競争を展開することを望んではいない。
なぜなら、それは当該地域に危険の火種をもたらすことになるからである。
だが、日本の考えは東南アジアの学者たちの想像とは明らかに違う。
「金銭外交」以外にも、日本は米軍と共同でフィリピンの軍事基地を利用した軍事訓練を行う予定との報道もある。
英国BBCによれば、近年、日本と中国はともにASEAN地域における影響力拡大に力を注いでおり、経済大国としての座については、すでに決着がついているものの、ASEANは南シナ海問題において、日本は東シナ海主権問題において中国と対立していることから、これらの国々と日本との関係が親密化しているという。
また、日本のメコン川流域国家との協力は、経済的要素のほか、政治的に中国を制圧する意味合いも含まれているという。
日本の対外援助は、その「政治大国」戦略の延長であるとの見方もある。
日本の東南アジアに対する援助はどの国に対しても同様に行われているわけではなく、そこには明確な選択と志向性が存在している。
援助を行うにあたっての条件のなかには、被援助国の防衛や外交政策にかかわるものもあり、その国防や対外関係に影響を及ぼしている。
■東南アジアにおける日本のイメージ作り
日本は東南アジアにおいて、二戦時期の不名誉な歴史を持っている。
ベトナム、ミャンマー、マレーシア、カンボジア、ラオス、タイ、フィリピンなどの国々は戦争の被害者である。
だが現在、東南アジア各国の日本に対する認識において、それほど大きなマイナスイメージはない。
専門家はその原因について次のように分析する。
「1つは、日本が戦後数十年に渡って行ってきた東南アジアへの経済援助や投資が大きく作用している。
このほか、日本は東南アジアに対する文化的PRやソフトパワーの輸出に力を入れており、それが侵略戦争のイメージを払拭するのに一役買っている。」
『環球時報』の記者は東南アジアの多くの国々で取材をした際、日本が開設した研修施設をよく目にした。
日本の影響力拡大のため、そこでは無料で日本語が教えられ、現地の人びとの日本での研修も組織されていた。
日本の海外商会のなかでもっとも規模が大きいバンコク日本商会は、会員企業数1328社で、経済活動以外に、
「現地と日本の文化交流を組織する」
という大きな役割を果たしている。
記者はタイに滞在中、よく日本人に間違われたが、時間の経過とともに、タイでもっとも大きな影響力を持つ国は確かに日本であり、その勢いは欧米諸国を遥かにしのぐものであることが分かった。
改革前、西側諸国の制裁を受けていたミャンマーだが、彼らにもっとも大きい援助を与えていた国の一つが日本である。
ミャンマーへの数回に渡る現地取材の際、記者は数年前から日本がそこで頻繁に各種シンポジウムを開催したり、各階層で関係網の構築を進めたりしていることに気がついた。
ミャンマーの3大都市ミッチーナは第二次世界大戦中、連合軍と日本軍の激戦区で、一つの仏塔を除いてすべてが廃墟となった。
しかし今では、日本人が建てた慰霊碑や慰霊塔が随所に点在し、都市北部に位置する日本人が最後に犠牲となったいわゆる「玉砕地」には、日本人によって慰霊位牌と巨大な臥仏の寺院が建立されている。
日本に留学経験のあるカシコン銀行の研究員、ピモンワン氏によれば、日本は東南アジアにおける自身のイメージ作りを重要視しており、ソフトパワーの浸透を通して、その侵略者としてのイメージから抜け出し、投資者や国際社会の友人としてのイメージを強くしようとしているという。
国際労働機関のラオス、タイ、カンボジア国家局局長である王紀元は『環球時報』の取材に対し、次のようにコメントしている。
日本の東南アジア国家に対する投資と援助は長期的戦略と計画に基づいている。
日本はこれまで日本国際協力機関を通じて50万ドルで日本や国際労働機関の専門家を招聘し、ラオスのための2011-2020年にかけての『労働及び社会サービス発展計画』を策定した。
この計画はラオスの社会経済発展レベルに合わせて制定されたものだが、多くの内容は日本に有利なようにできており、それがソフトパワーの影響力と言える。
カンボジアでは今のところまだ日本による大規模な投資はないが、現地の経済学者は次のように語る。
日本のカンボジアに対する企業投資は多くないが、政府の援助は第1位で、主に文化、科学技術、教育等の方面において行われており、将来的な影響力と抑制力を見据えたものである。
また、その援助はカンボジアの国勢調査や地理測量にまで浸透しており、それらが今後軍事的に利用されないとは限らない。
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朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/03 12:46
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/03/2012050301418.html
韓中FTA:出遅れで焦る日本
韓国と中国が自由貿易協定(FTA)の交渉開始を宣言したことで、最も焦りを感じているのは日本だ。
既に米国、欧州連合(EU)とFTAを締結した韓国との競争で、中国市場でも劣勢に立たされるからだ。
2日付日本経済新聞は
「輸出市場の拡大を狙う韓国が、中国とのFTAで先手を打った。
韓中日FTAを推進してきた日本だけが取り残された」
と報じた。
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、韓中FTAが実現すれば、中国で韓国製品が他国製品に取って代わる金額が173億ドル(約1兆3900億円)に達し、日本製品はうち30%に当たる53億ドル(約4200億円)の被害を受けると試算した。
日本が韓中日のFTA競争で出遅れたのは、日本自らの責任による側面が大きい。
口では韓中日FTAを主張しているが、農業分野の開放に消極的だからだ。
日本はむしろ、韓国と中国のFTA協議が急進展するや、中国とのFTAを優先的に推進することもあり得るとの方針を示すなど、韓中両国をけん制することにきゅうきゅうとしている。
窮地に追い込まれた日本は、再び韓中日FTAのカードを切る可能性が高い。
しかし、それを韓中両国が受け入れるかどうかは未知数だ。
ソウル大の安徳根(アン・ドククン)教授は
「日本がFTAで農産物市場の開放を受け入れるのかどうか、真剣さが疑われており、韓中が3カ国によるFTAに同意するかは疑問だ。3カ国によるFTA交渉が開始されたとしても、韓国と中国は二国間FTAを重視する可能性が高い」
と指摘した。
日本はまた、遅れを一気に挽回するため、米国主導の多国間FTAである環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を目指している。
しかし、それも自動車、牛肉市場の開放などに対する反発に直面し、先行きは険しい状況だ。
日本は2007年にオーストラリアとFTA交渉を開始したが、農産物市場の開放問題でほとんど交渉が中断している。
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なにか前の記事と比較するとパワーがない。
「しまった、はやり過ぎた」
といった嘆きが聞こえてくる。
前者は自立した国、後者はエサを求める国、そんな感じがする。
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朝鮮日報 配信日時:2012年5月5日 12時7分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61024&type=0
米アジア外交に焦る中国の隙を突け=中韓FTA交渉は韓国に有利―韓国紙
「中韓FTA交渉に韓国以上に積極的な中国=米国の影響力阻止が狙い―韓国メディア」
を掲載した。
3日付コリアンタイムズに掲載された韓国官僚のコメントによると、中国は韓国側の提案を受け入れ、中韓自由貿易協定(FTA)交渉を2段階に分けることに同意したという。
第1段階の交渉では両国が政府の保護が必要で開放困難な分野を先に指定することになる。
韓国対外経済政策研究院のKim Young-gui研究員は、経済的な利益以外の要因が中韓FTAの追い風になっていると指摘。
今年3月に発効した米韓FTAが中国を不安にしており、米国のアジア外交に対抗するべく、中国は積極的な姿勢を示しているという。
ゆえに韓国以上の熱意で中国はFTA締結を目指している。こ
の状況を鑑みれば、韓国側に有利な形で交渉を進められる可能性が高いとKimYoung-gui研究員は期待をあらわにした。
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韓国は、何んでもかんでも自国に有利だと思いこませようとしている気がする。
ということは、これは相当に危険をはらんでいるということのように思えてくる。
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