2012年5月24日木曜日

債権国日本、格下げ影響なし:「日本は格付け自体を信じない」

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/24 08:48
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/24/2012052400591.html

債権国・日本の高笑い、格下げの影響なし
 「日本は格付け自体を信じない」


 世界の3大格付け会社の一つ、フィッチ・レーティングスはこのほど、日本国債に対する格付けを円建ては1段階、外貨建ては2段階引き下げ、外貨建ての格付けは韓国と並んだ。
 それでも日本は異常なほどに冷静だ。
 主要紙の読売新聞は1面トップで報じたが、日本経済新聞、産経新聞、毎日新聞などは中面で簡単に報じただけだった。
 為替市場ではむしろ円高が進み、国債利回りにはほとんど変化がなかった。

 株価は2.0%下落したが、格下げによる影響ではなく、日本の4月の貿易赤字が予想より大きかった点、欧州財政危機の悪化懸念によるものだ。
 街頭で出会った市民は「信用格付けって何」と記者に聞き返した。

 日本経済新聞の鈴置高史編集委員は、記者の電話取材に対し
 「韓国とは異なり、日本は格付け会社に対する不信感が根強く、市場への影響も小さい」
と指摘した。

 安住淳財務相は
 「個別の(格付け)会社による評価にコメントする必要はない」
と述べた。

 23日の東京外国為替市場では、前日に比べ、円が小幅ながら上昇して引けた。
 欧州財政危機の影響で、円が安全資産と見なされ、円買い需要が続いているためだ。
 日本の専門家は
 「世界最大の債権国である日本の危機を論じるのはナンセンスだ」
と主張した。
 書店では「日本経済の危機はうそだ」と主張する経済書が飛ぶように売れている。

■格下げ、貿易赤字でも円高

 フィッチは日本の格付けを引き下げた理由として、日本の公的債務が国内総生産(GDP)と比べ多過ぎ、しかも増加を続けている点を挙げた。
 フィッチは日本の公的債務が今年末にはGDPの230%を超えるとの見方を示した。
 韓国では公的債務の対GDP比が65%である点を考えれば、非常に高い水準にある。

 それでも日本の国債市場が揺るがないのは、日本国債の95%を日本の企業、個人が保有している上、欧州財政危機で安全資産として、円建て資産(日本国債)への投資需要が高まっているためだ。

 年初にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も日本の格付けを引き下げたが、国債価格はむしろ上昇した。
 10年物国債の利回りは年初時点の年0.89%から現在は0.87%まで下落し、今月16日には2003年以来で最低となる0.82%を記録した。

 外国人が債券を大量保有しており、危機の兆候が表れると、資金が急に引き揚げられ、国債利回りが急騰するギリシャ、スペイン、韓国などは、日本の事情とは決定的に異なる。

■経常黒字の国は破綻しない

 みずほ経済研究所のチーフエコノミスト、高田創氏は
 「物の例えだが、父親が母親に借金をすれば、父親の信用度が低下するが、家全体では財務的に健全だ」
と話した。
 政府は貧しくても、国民や企業は依然として金持ちだということだ。

 貿易収支は赤字だが、経常収支が依然黒字という点も日本国債に対する信頼を高める要因の一つだ。
 日本の貿易収支は昨年、約30年ぶりに赤字に転落したが、投資収益などを含めた経常収支は黒字が10兆円に迫った。
 対外純投資は253兆100億円(約3兆1800億ドル)あり、輸出をしなくても、毎年巨額のドル資金が懐に入る構造となっている。

 最悪の場合、税率を引き上げる余地があることも、日本の国債市場を下支えしている。
 日本の消費税率は現在5%で、ドイツ、フランスなど欧州各国の15-20%に比べれば、増税余地が大きい。
 しかし、消費税引き上げをめぐる賛否が対立し、実現できるかは未知数だ。

 高麗大のオ・ジョングン教授は
 「国債利回りがゼロに近づき、日本国民は国債をこれ以上買おうとはせず、昨年の東日本巨大地震でも、20兆円の復興資金のうち、国債発行で調達できたのは10兆円にとどまった。
 財政が回復しなければ、20年続いた低成長から回復することはできない」
と指摘した。


 日本経済は近代経済学の枠に収まりきれていない。
 というより、すでに世界は近代経済学を古典経済学の領域におしやっている。
 いろいろと手直しをして使っているようだか、ほとんど効力がなくなっている。
 新しい経済学が出てきないかぎり、現在の世界を性格に把握することはできなくなってきている。
 でも、その経済学はアメリカでは生まれにくい。
 あまりにも、政治と経済が密着しすぎて、それを壊すことができにくくなっているからだ。
 よって、まだまだ旧来の経済学を信奉するしかない。
 数字をあやつって言葉を吐き出していくと、したの記事のようになる。
 ほとんど、事態の正確な把握が欠けてしまっている。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/24 08:47
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/24/2012052400588.html

【社説】日本経済は「落第政治」に追随するのか

 大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは22日、日本国債の格付けを円建てで1段階、外貨建てで2段階引き下げた。
 これにより、日本の外貨建て国債の格付けは初めて韓国、中国、台湾などと並んだ。
 フィッチは
 「日本の財政健全化計画は、困難な財政状況にあるほかの高所得国と比較しても切迫感に欠け、計画の遂行には政治リスクが伴う」
と格下げの理由を説明した。

 日本の国家債務は今年、国内総生産(GDP)の230%を超えると予想されている。
 財政危機で揺れるギリシャ(153%)、イタリア(123%)など欧州の問題国より事態は深刻だ。
 950兆円を超える国家債務の利払いだけで22兆円に達し、今年の日本の政府予算の24%を占める。

 日本は1990年代初めのバブル崩壊の衝撃で、経済成長率が1980年代の4.6%から90年代には1.2%に落ち込み、2000年代はさらに0.7%まで低下した。
 景気てこ入れのため、1992年から2000年まで9回にわたり124兆円規模の景気浮揚策が取られたが、効果はなく、借金だけが膨らんだ。
 日本は借金を返すために借金を繰り返す悪循環に陥り、国家債務の対GDP比は、1990年の70%から2000年には140%、11年には212%まで上昇した。

 景気低迷で日本政府の税収は1990年の60兆円から昨年は41兆円へと減少した。
 税収で賄えるのは、政府予算の半分にもならない。
 その上、東日本巨大地震の復興財源を確保しなければならず、高齢化に伴う福祉費用も増大しており、財政状況はさらに悪化せざるを得ない。

 さらに大きな問題は、財政危機を解決できる政治的リーダーシップの不在だ。日本では1989年から23年間で首相が16回交代した。
 平均在任期間は1年6カ月にすぎない。
 2006年9月に小泉純一郎元首相が辞任して以降は、毎年首相が変わっている。

 首相からして短命であるために、政策を徹底して推進することはできず、緊急事態にもしっかり対応できない。
 昨年の東日本巨大地震で露呈した日本政府の後手の対応、まずい対応がそれを端的に示している。
 財政危機を解決するためには、消費税を引き上げなければならないと言いながら、どの政権も決断を下せず、次の政権に持ち越している。
 政界の無能、無責任が世界3位の経済大国を危機に追い込んでいる。




2012年6月19日21時35分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120619-OYT1T01139.htm

海外投資家「日本買い」最高…国債保有76兆円

 日本銀行が19日発表した今年1~3月期の資金循環統計(速報値)によると、3月末時点の海外投資家の日本国債の保有残高は、前年同期比23%増の76兆円、保有割合は8・3%となり、いずれも年度末ベースで過去最高となった。

 欧州危機などを背景に、海外投資家が安全資産とされる日本国債への投資を増やしているためだ。
 国内の民間金融機関の国債保有残高も過去最高の「612兆円」となり、国債依存の強まりを示した。

 一方、個人金融資産の残高は前年同期比0・7%増の「1,513兆円」で、3年連続でプラスとなった。
 このうち「現金・預金」は同2・3%増の「835兆円」と、年度末ベースで過去最高を更新した。
 東日本大震災などを受け、お金を手元に置く意識が高まっているためとみられる。




ロイターニュース 2012年 06月 19日 12:26 JST
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK083113420120619

2011年度末の国債海外保有比率は8.3%、過去最高=日銀資金循環統計

 [東京 19日 ロイター] 
 日銀が19日公表した2012年1─3月期資金循環統計によると、
 3月末の国債発行残高は前年度比4.9%増の「919兆円」
と過去最高を更新した。
 うち海外部門による保有残高は同23%増の76兆円となり、国債残高に占める構成比は8.3%で年度末ベースで過去最高となった。

 1─3月期の海外勢による国債投資は、短期債が1兆7416億円の買い越しであるのに対し、長期債は3兆5698億円の売り越しとなっている。

 <対外直接投資が過去最高>

 3月末の家計の
 金融資産から負債を差し引いた金融純資産は「1、145兆円」
となり、一般政府の負債残高「1,099兆円」を上回った。

 対外債権から対外債務を差し引いた海外純資産は、企業の直接投資などを背景に前年度比1.9%増の「263兆円」と過去最高となった。
 対外直接投資が同17.9%増の46兆円と過去最高を記録したことなどが寄与した。

 家計の金融資産は前年度比0.7%増の「1,513兆円」と3年連続で増加。
 うち金・預金が前年度比2.3%増の「835兆円」と6年連続で増加した。
 預金の内訳は、流動性預金が4.9%増の「310兆円」、定期預金は0.6%増の「464兆円」となっており、低金利などを背景に流動性預金が大きく伸びた。
 家計の外貨建て資産は38.6兆円で家計の金融資産総額に占める比率は2.5%と、過去3年間横ばい圏内にある。

 企業(民間非金融法人)の金融負債は前年度比1.2%増の874兆円と2年ぶりに増加した。
 電力会社などによる社債発行の減少により株式以外の証券が同2.5%減の71兆円にとどまったが、企業間・貿易信用が同7.1%増の174兆円と大きく伸びた。


 完全に現代経済学では日本の動き、また海外からみる日本の経済が読みきれていない。
 つまり、現代経済学のセオリーはもはやなんの指標にもならないということである。
 小さな部分には適合するが、
 「世界俯瞰規模経済
にはなにももたらさない。
 ノーベル賞をもらった経済学者は金融工学にうつつを抜かし、ソビエト崩壊をまったく予測できなかったし、あたかもあたかもFRBの金利操作で経済を運営できるかのような発想では、ユーロの危機の原因を追求することも救うこともできない。
 現代経済学が述べる数字的マジックには、ほとんど信頼がない
とい言い切っていいだろう。



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