2012年5月24日木曜日

<ウイグル問題>閣僚「反中発言」のトルコに罵詈雑言―中国

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●新疆ウイグル自治区ウルムチ市で5日に発生したウイグル族による抗議・暴動に絡み、トルコでは首相をはじめ閣僚による
 「中国政府がただちに、人権問題で国際的な基準に合致する措置をとることを希望する」、
 「中国製品をボイコットすべきだ」
などの発言が相次いだ。
 これに対して、中国のインターネットでは、トルコを非難する書き込みが相次いでいる。
 民族差別的な「罵詈雑言」も、相当に多い。



サーチナニュース 2009/07/11(土) 13:14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0711&f=politics_0711_006.shtml

<ウイグル問題>閣僚「反中発言」のトルコに罵詈雑言―中国

  ポータルサイト環球網が10日午後に始めたアンケートでは、11日正午現在、回答者の9割以上が、トルコの閣僚発言について「内政干渉だ」、「怒りを感じる」との考えを示している。

  同アンケートに付設された書き込みは、トルコ非難の主張で、埋め尽くされた状態だ。
 トルコを
 「ゴミ国家」、
 「犬のクソ国家
などとする差別的書き込みも目立つ。

  「トルコ政府関係者全員は、超超超強力な新型インフルエンザで全員死んでしまえ
との極端に感情的な書き込みや、
 「トルコの犬は1000年前に逃げ出した、ウイグルの豚は逃げ出さず、1000年後に反乱を起こした。
 消滅させてしまうべきだ
と、国内のウイグル族とあわせて攻撃する意見もある。

  それ以外にも、2003年にトルコで発生した連続爆破事件で中国がテロ反対の姿勢を貫いたことに触れ、
 「まず礼をつくした。今度は、兵を動かせ」
とする主張や、駐中国トルコ大使館へのデモを求める書き込みも見られる。

  写真は、環球網でのアンケートの経過表示。
 トルコの閣僚発言を「内政干渉だ」(上)、「怒りを感じる」(下)とする意見が極端に多い。

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◆解説◆

  ウイグル民族は中央アジアに多いトルコ系民族のひとつ。
 唐代中国と密接な関係を持った遊牧帝国「突厥」も、チュルク(=トルコ)に複数形を表わす「-d」を加えた「チュルクド」の漢字表記と考えられている。

  7世紀ごろには、中央アジアのトルコ系民族の一部が西に移動。
 11世紀には西アジアの支配を確立させた(セルジュク朝)。
 その後、オスマン朝が興隆。オスマン朝は1453年に東ローマ帝国(ビザンチン帝国)を滅ぼし、17世紀にはオーストリアのウィーンを包囲するなど、欧州にとって最大の脅威だったが、その後は停滞・衰退し第一次世界大戦後には革命が起こりトルコ共和国になった。

  セルジュク朝やオスマン朝の最盛期には中近東の大部分や中央アジアの一部を領有したが、現在の領土はアジア最西部のアナトリア半島と、ボスポラス海峡を越えた東ヨーロッパのバルカン半島の東端部分。

  トルコは対日感情が比較的良好な国とされる。1890年に和歌山県沖で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号に対して、日本側が全力で救援活動を行ったことや、オスマン朝末期のトルコが苦しめられていたロシアに、日本が日露戦争で勝利したことなどがきっかけとされる。

  トルコは他のトルコ系民族に強い親近感を持っている。
 ただし、「自らを、トルコ系民族の“総本家”と考えている」などとする批判的な見方もある。
 また、国内にはインド・ヨーロッパ系の言語を持つクルド人問題を抱えており、EUなどは「少数民族の人権抑圧」と批判している


 そういえば、昨年暮れにトルコ大地震では和歌山県が義援金を募っていた
 ささやかだが、募金したことがある。
 中国とトルコって仲が悪いということはないように思うのだが。

 国際的に大国になった国は、相応の期待を周囲の国から求められれる。
 期待がかなえられないとき、それらの国は敵意を内に秘めるようになり、時に反対勢力ともなる。
 自分の利益や都合ばかりを小国に押し付けるわけにはいかなくなる。
 大国とは周囲の国を抑えこめるから大国なのではない。
 周囲の国の期待に応えられるから大国なのである。
 中国はまだそこまで到っていない。
 ということは、中国が大国化すればするほど、反中国家を量産していくことになる。
 大国に求められる資質を反省しないと、孤立しかねなくなる


サーチナニュース 2012/02/22(水) 15:46
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0222&f=politics_0222_018.shtml

中国・習副主席がトルコに「ウイグル独立運動を阻止してほしい」

  トルコを訪問した中国の習近平副主席は現地時間21日、エルドアン首相との会談で、ウイグル族などの
 「東トルキスタン独立運動を阻止してほしい」
と述べた。
 中国新聞社が報じた。

  習副主席は
 「東トルキスタン独立運動は中国の国家安全と社会の安定に関係しており、中国側の核心的利益に結びつく問題だ」
と述べ、エルドアン首相が
 「いかなる者であれ、トルコ領内で中国の主権と領土の完備を破壊することには反対する」
と繰り返し述べたことを称賛。
 「トルコ側はこれからも、東トルキスタン独立勢力がトルコで反中国の分裂活動を行うことを阻止するよう希望する。
 両国関係の健全で安定した発展を維持してほしい」
と求めた。

  習副主席は、貿易問題について中国の大幅な輸出超過であることに触れ
 「両国の貿易不均衡を緩和するための総合的な措置を継続する。
 トルコも、自国製品の中国への売り込みに力を入れてほしい」
などと述べた。
 中国はトルコにおけるインフラ建設でも、投資と協力を続ける。
 貿易については、双方の自国通貨による決済の早期実現を目指す。
 原子力、宇宙利用、省エネルギー・省資源、エコ経済、新素材などの分野でも協力を進める。

  エルドアン首相は、貿易、金融、エネルギー、航空、宇宙、高速鉄道、道路、観光などの分野における両国の一層の関係強化を求めた。

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◆解説◆
  トルコ(テュルク)系民族は、中央アジアやシベリアなど広い範囲に分布している。
 現在のトルコ共和国はトルコ(テュルク)系民族が住む地域でも、最西部にある。

  トルコ系民族が住む土地を「トルキスタン」と呼ぶ。
 うち、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタン、タジキスタンなどを西トルキスタンと呼ぶ。
 新疆ウイグル自治区は東トルキスタンと呼ばれた土地だ。

  そのため、新疆ウイグル自治区の独立運動の関係者は、自らの運動を「東トルキスタン独立運動」と呼ぶことが多い。
 「新疆」の名を使わないのは「『新しい辺境』という、中国中心の呼称」に対する反発だ。
 また、中国が「新疆」の地域名を使っていることは
 「もともと中国領ではなかったと自ら認めるもの」
と考えるウイグル人もいる。

  トルコに対しては、
 「トルコ人は、自らがすべてのテュルク系民族の“本流”との態度を示すことがある」
として反発を感じるその他のトルコ系民族の人々もいる。

  「トルキスタン」と呼ばれる土地に住みつづけている民族のすべてが「トルコ系」であるわけではない。
 タジキスタンの人口の約8割を占めるタジク人は、イラン系民族だ。
 タジク語はインド・ヨーロッパ語族に属する。トルコ系の言語は、文法構造などが日本語に近い。




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