2012年5月17日木曜日

中比対決:「小国フィリッピンは大国中国をバカにするな」

_


 中国外交部(外務省)のオエライさんが、
 「フィリピンは中国をバカにするな
といったそうである。
 ということは、
 中国はフィリッピンに「バカにされた」と感じている、
ということでもある。
 自らをアリとし、中国を象に例えているフィリッピンが中国をバカにするなんてことはちょっとありえない。
 言い換えると中国の被虐意識が増幅しているということであろう。
 中国が外交的コントロールを失いつつあるのかのように感じられる。
 指導者交代を控えて、中国ではあらゆるところに何かほころびというか、ギクシャクが目立ってきている。
 この機に軍部が力を伸張させてきているようにも見受けられる。
 ということは、ヤバイかも。


朝鮮日報 記事入力 : 2012/05/17 10:50
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/17/2012051701005.html

中国外交幹部「比は大国をばかにするな」
戴秉国・国務委員

 中国外交の「司令塔」的立場にある戴秉国・国務委員(写真)は15日、中国人民対外友好協会全国委員会の席上で、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)をめぐるフィリピンとの領有権争いを念頭に、同国を名指しし
 「小国は大国をばかにしてはならない」
と発言した。

 英字紙チャイナ・デーリーなどによると、戴国務委員は
 「急速に発展する中国は、他国を怖がらせてはならず、発展すればするほど、謙虚になるべきだ。
 小国や貧しい国にも、大国や富める国にも傲慢(ごうまん)であってはならない」
と指摘した上で、
 「謙虚であることは他国にばかにされるのを耐えることとは異なる。
 フィリピンのような小国は大国をばかにすべきではない
と続けた。

 戴国務委員の発言は、先月10日にフィリピン海軍がスカボロー礁付近で操業中の中国漁船を拿捕(だほ)しようとした過程で、両国の船舶のにらみ合いが起き、その後両国間で神経戦が続いていることを受けたものとみられる。

 両国は一時中断していた外交的接触を今月11日から再開し、緊張した外交戦を展開している。
 中国は16日から今年7月末までスカボロー礁付近の海域での休漁を宣言し、自国漁民、フィリピン漁民が同海域に接近すれば厳しく取り締まると表明した。
 これに対し、フィリピンのロサリオ外相は15日に声明を出し
 「中国が宣言した休漁期間の対象海域のうち、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)に属する部分は認められない。
 フィリピンも独自に付近の海域に休漁期間を設定する」
と述べ、対抗姿勢を示した。

 一方、華僑向け通信社の中国新聞社によると、フィリピン国防省は、米国の最新鋭攻撃型原子力潜水艦「ノースカロライナ」が13日からフィリピンのスービック湾に停泊していることを公表した。
 同省は原潜の寄港目的を物資補給のためとし、19日まで停泊すると説明した。
 しかし、中国海軍がフィリピン北方の西太平洋で軍事演習を実施するなど、スカボロー礁をめぐる中国とフィリピンの軍事的緊張が高まっているため、専門家からは、米原潜が軍事衝突を防ぐために姿を見せたのではないかとの見方も出ている。


 なにかこの外交官の言っていることは、外交交渉もなにもあったものではない、ということのようである。
 「小国は大国にひれ伏せ」
と、宣言しているようなものである。
 まあ、品のないこと。


 中国はここでも打つ手なしでイライラし始めている。
 こわもての脅しをかけているのだが、相手は「フーン」と鼻先であしらっている。
 実際はそうではなく、ビクビクものなのであろうが、中国の掛け声だけがエスカレートしている。
 自分の声によって、それにのせられさらにヒートアップするという、ガキレベルの様相を呈しはじめている。
 なんだか自作自演の興奮劇に自ら酔っ払っているようでもある。


サーチナニュース 2012/05/19(土) 12:56
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0519&f=politics_0519_011.shtml

中国、黄岩島への挑発行為を警戒「過激な行動やめよ」

  中国外交部の洪磊報道官は18日、「中国は黄岩島(スカボロー礁)について、引き続き高いレベルの警戒を保持し、いかなる挑発行為も阻止する」と述べた。
 中国国際放送局が報じた。

  フィリピンの一部団体が黄岩島への上陸を計画していたとの報道について、洪磊報道官は、黄岩島が中国の領土であることを改めて主張し、
 「フィリピンに対し、無責任な言論の発表や過激な行動を止め、外交ルートでの問題解決という正しい軌道に立ち返り、それに向けた明確で一致するメッセージを発信するよう要求する」
と述べた。

  報道によれば、フィリピンの退役士官による団体が18日、黄岩島に上陸して国旗を掲揚しようと計画したが、フィリピン大統領が介入し、取り止めになった。




レコードチャイナ 配信日時:2012年5月21日 15時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61454&type=0

対中領有権紛争、「フィリピンは宣戦布告しない」と駐香港同国総領事―香港メディア

 2012年5月19日、香港の中国評論新聞によると、中国との南シナ海領有権紛争を受け、フィリピンのサービゴン駐香港総領事は17日、
 「2国間の対立は平和的な解決が可能であり、フィリピンは関係改善を積極的に進めていく」
と述べた。
 環球時報(電子版)が伝えた。

 同総領事は両国が領有権を主張している南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)問題について、
 「先行きを楽観的に見ており、最終的には平和的に解決されると思う」
と予測。
 フィリピン政府がこのほど、中国側との対話継続を表明したことを受け、2国間に武力衝突が起きる可能性はなく、フィリピン側が宣戦布告することもないと表明した。

 さらに同総領事は、フィリピン政府が16日、対中経済関係強化に向け、特使2名を中国に派遣したと表明。
 フィリピン側の関係改善への積極姿勢の表れだとした。
 中国側はすでにフィリピン産果物輸入や観光分野での交流制限策を実施。同窓領事は
 「フィリピンにとって中国市場は重要であり、今後積極的に解決方法を探りたい」
とした。


 この記事は変だ。
 どう考えたってフィリッピンが中国に「宣戦布告」などするわけがない。
 アリと象だ、とフィリッピン軍部も言っている。
 宣戦布告というのは、しびれを切らした中国がフィリッピンにすることである。
 なにか、本末が転倒している。
 つまり中国が宣戦布告できない状態に苛立っているということなのである。
 中国の息のかかったマスメデイアが意識的にすり替えて報道している、ということだろう。



サーチナニュース 2012/05/30(水) 15:40
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0530&f=politics_0530_012.shtml

中国国防相がフィリピンに注文
 「自制せよ。言葉と行動慎め

  中国の梁光烈国防部長(国防相)は28日、カンボジアのプノンペンでフィリピンのガズミン国防相と会談し、領有権を巡り両国が対立しているスカボロ礁(黄岩島)の問題で、ガズミン国防相に対してフィリピン側が
 「冷静さを保ち、自制すること。言葉と行動を慎む
ことを求めた。
 中国新聞社が報じた。

  中国とフィリピンがともに領有権を主張する南シナ海・中沙諸島のスカボロ礁(黄岩島)周辺では4月上旬以来、両国の監視船など対峙している。

  両者は東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議出席のため、カンボジアを訪れた。
 梁部長は
 「黄岩島は中国固有の領土であり、いかなる争議も存在しない」、
 「このたび発生した事件は完全に、フィリピンの軍艦が黄岩島海域で中国の漁民を武力襲撃し、(活動を)妨害したことで始まった」
と主張。

  「事件発生後のフィリピンの一連のやり方は、事態を複雑化した。
 中国側はフィリピンが中国の主権を切実に尊重し、事態を複雑化に導いたり拡大する行動を2度としないことを要求する」、
 「冷静さを保ち、自制すること。言葉と行動を慎み、実際の行動で地域の平和と安定を維持してほしい」
と述べた。
  フィリピンのガズミン国防相は会談終了後、
 「双方は事件について自制を保ち、激烈な言葉を用いず、交流のパイプを維持して問題の平和的解決を図ることで同意した」
と述べた。


 相変わらず、中国の小国に対する態度は横柄の一言につきる。

 こういうスタイルが日本に通じないところに中国の苛立ちがある。
 なぜ日本には通じないのか、我が国は世界第2位の国だぞ、小国は大国をバカにするな!
 ってとこかな。




_