2012年5月23日水曜日

中国が尖閣にこだわる理由

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● 福建省「秘密基地」完成=尖閣諸島へ12分



サーチナニュース  2012/05/23(水) 09:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0523&f=politics_0523_007.shtml

中国の海洋権益と尖閣諸島、中国が尖閣にこだわる理由

  石原慎太郎・東京都知事が尖閣諸島(中国名:釣魚島)購入構想を打ち出した。
 アジア太平洋政治経済調査研究センターの孫興傑研究員は、尖閣諸島の領有権の係争は中国の海洋権益発展の行方にかかわるものと指摘し、尖閣諸島および宮古島海域と中国の海洋権益について論じた。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

  中国海軍の艦艇が太平洋に出るためには、沖縄本島と宮古島間の海域を通ることが通常だ。
 だが、日本による監視を受けながら同海域を通過するのは、制海権拡大を目指す中国にとってわずらわしいことだ。

■中国が警戒すべきところ

  一部メディアは、石原都知事の尖閣諸島購入構想を新党結成の布石だと批判し、尖閣諸島購入構想を「単なるパフォーマンス」と見なし、東京都が購入に関する歳出を認める訳がないとする声もある。
 これらの認識は誤りではないが、尖閣諸島購入構想の背後には、中国側の懸念を拭い去れない事実が存在する。

  まず、日本の主要紙が尖閣諸島の領有権について同じ認識を掲げており、石原都知事の言動に対する評価のみが異なっていることだ。

  次に、石原都知事は尖閣諸島の領有権の係争を、国内の土地所有権の問題にしてしまったことだ。
 日本国民の目はそらされ、尖閣諸島の領有権問題は隅に追いやられてしまい、中国は第3者的な立場でそれを眺めるしかなくなってしまった。
 また、石原都知事は与野党議員に圧力をかけることで、日本の政界に波紋を投げかけ、国民を尖閣諸島問題に釘付けにさせることに成功した。

  最後に、尖閣諸島問題には米国と切っても切れない関係が存在していることだ。
 石原都知事が米国での講演中に同構想を打ち出したのは、尖閣諸島が日米安保の適用対象であることを訴えてのことであり、また、米国の東アジア戦略に追随する形となったことを示している。

 ■真の狙いは太平洋への出口ルート

  2009年3月以降、中国海軍の艦艇は8度にわたり、沖縄本島と宮古島間の海域を通過し、西太平洋での軍事演習を行った。

  沖縄本島と宮古島間の海域のなかほどは公海であり、中国の艦艇が同海域を通っても国際法に触れるものではないが、日本の警戒は高まっている。
 ある退官自衛官は
 「公海域を通過するとは言え、中国側が事前にその連絡をしなかったため日本は警戒した」
と述べている。
 米ジェームスタウン財団は
 「中国は第一列島線、第二列島線を突破する軍事力を持つようになった」
と指摘する。

  日本が尖閣諸島の領有権を自主的に放棄するはずがない。
 中国も東シナ海から西太平洋へと抜ける近道となる沖縄本島-宮古島間のルートを手放したりしないだろう。
 同海域は空母も原子力潜水艦も通れるほど広く、そして深い。

  日本はその通過を邪魔することはできず、ただ、監視を強化するしか手はない。
 監視対象の範囲には、同海域の南北にある宮古島、沖縄本島だけでなく、南西の方角に位置する尖閣諸島も含まれる。産経新聞は
 「尖閣諸島の国有化により自衛隊の常駐が可能になる」
としているが、総面積がただ6.3平方キロメートルである尖閣諸島に重装備部隊を配置することは不可能で、せいぜい警戒監視活動に用いられるだけであろう。

  尖閣諸島問題を海洋権益の発展という角度から見ると、単なる5島3岩礁の領有権問題というだけでなく、また、漁業資源およびエネルギー・鉱物資源を巡る係争というだけではない。

 真実は、中国が太平洋に出るうえで重要なルートを得られるかどうかといった戦略的な問題が存在しているのだ。
 日本が尖閣諸島を「武装化」すれば、中国海軍が太平洋に出るためのルートは狭くなり、しかも南北からの攻撃に遭いやすくなるからだ。




サーチナニュース  2012/05/12(土) 13:39
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0512&f=politics_0512_004.shtml

自衛隊による尖閣諸島の「奪還」作戦は偽テーマ

  中国網日本語版(チャイナネット)は11日、陸海空3自衛隊が行ったとされる尖閣諸島の「奪還」作戦は偽テーマであると報じた。
 以下は同記事より。

  日本の陸海空3自衛隊が、中国が尖閣諸島(中国名:釣魚島)を武力で占領したと想定し、奪還作戦を策定していたことが分かった。
 それによると、事態は
 (1)平時での「不法行動」
 (2)武力攻撃予測事態
 (3)武力攻撃事態と認定しての着上陸作戦
-の3段階をたどると想定。

  これに対し、自衛隊は
 (1)陸自部隊の統合輸送・機動展開
 (2)防空作戦
 (3)対艦攻撃
 (4)軍事基地の防護
 5)上陸作戦
-の5つの作戦で応戦するとしている。
 作戦計画は綿密で、かなりレベルの高いものだ。

  ただ奪還構想をみれば日本の狙いがわかる。
 日本は何の根拠もなく仮想の場景をでっち上げ、さまざまな「反撃」措置を策定している。
 軽く言えば自分で楽しんでいるだけで、重く言えば泥棒が他人を泥棒呼ばわりし、真の狙いはほかにある。

  いわゆる「奪還作戦」はまったく存在しない偽テーマで、日本側が尖閣諸島問題の事態を拡大するための一手である。
 今年に入って日本は尖閣諸島の実効支配を明らかに強化した。

 日本政府は尖閣諸島周辺の小島に名前を付け、石原慎太郎東京都知事が尖閣諸島購入構想を打ち出したほか、北朝鮮の衛星打ち上げを口実に大規模な迎撃配備を行うなどどれも意図は同じで、機会に乗じて騒ぎ、いわゆる「脅威」を訴え、日本の軍国復興と軍事拡大の口実にしようとしているのだ。

  実際には日本の「奪還」計画は早くに策定され、すでに何度も日米合同軍事演習で実施され、表面上はさまざまな名目を掲げているが、裏では中国を念頭に置いている。
 2010年12月、日米は「史上最大規模」の軍事演習を実施。
 演習海域は四国南部、九州西部、沖縄東部の海域にまたがった。

  なかでも特に注目を集めたのが、日本が米軍の協力のもと、西南部の「敵軍」に占領された小島を「奪回」するというシナリオの「奪還作戦」だ。
 11年11月14~18日の間、約3万5000人が参加する陸海空3自衛隊の大規模な合同軍事演習が行われた。
 場所は、九州南西・沖縄方面の海域で、訓練事項は「島嶼部の防衛」としているが、実際には「奪還」訓練だった。

  以前、日本は周辺の安全保障などさまざまな政治的考慮から、中国をあまり刺激しないよう「奪還」を目的とする演習は避けてきた。
 ところが近年、日本は「中国の軍事的脅威」に関する話題を避けなくなり、はばかることなく中国を防衛・けん制の主要ライバルとし、日米合同軍事演習や単独演習を頻繁に行い、中国を念頭に置いていることを明確にし、日本には
 「南西諸島を守る決意と能力がある」
と示すようになった。


  「奪還」の目的は尖閣諸島を確実に手に入れることにある。
 「中国の脅威」を騒ぐことで、日本の軍国主義が復活し、新防衛大綱で打ち出された南西諸島の防衛強化も着実に現実化しつつある。
 日本側が設定する「占領」と「奪還」のなかで、日本が尖閣諸島に兵を駐留するといううわさも現実になる恐れがある。
 中国の領有権はますます厳しい課題に直面することになる。


 この記事群はほぼ真実をついていると思う。
 日本はこれまで、日中友好という柱をもって政策を推進してきたため、中国をあからさまに刺激するような行動を控えてきた。
 だが、それは2つのことで終了した。
 その2つとは、

①.北京オリンピック、上海万博の開催によって、中国は明確に国際社会に組み込まれ、国際国家の一員としての種々の責務を果たさねばならぬ位置に至ったこと
②.GDPで日本を抜いて世界ナンバー2の経済大国となったこと。
 
 このことによって、日本と中国はこれまでのように、日本が中国の発展に寄与するために行動を控えるということをしなくても良くなったことである。
 ということは、日本と中国はここにきてフィフテーフィフテーの関係に入ったということである。
 対等な関係ということになれば、片方の軍事力の増強は他方の同じく軍事力の増強を是認しなくてはならなくなる。
 領土関係は明白な形で政治課題としてのぼってくることになり、片方がこえ高に領有権を主張すると、それを威嚇ととらえ、他方は軍事保持を実行することになる。

 つまり、このところの緊張は両者が対等な形で対峙したときのなるべき形
だということでもある。
 そして、これらの動きを外交で解決するのが国際社会だが、一方が声高に主張すると、もはや外交手段に訴える余裕がなくなってきて、常に最終段階を想定しての演習を必然的に強要されることになるということである。
 中国は今後も軍事力を強め、恫喝外交を繰り返すだろう。
 そこでは国際外交という手段がとれなくなる。
 よって、日本は中国の進軍ラッパと軍事力の増強に常に対処するという役割を担うしかなくなる。
 それ以外に、とる手がなくなってきている、ということでもある。
 つまり中国の台頭は、日本の安全強化を誘発する、ということでもある。




2012年5月24日01時31分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120523-OYT1T01338.htm

中比対立激化 尖閣諸島でも警戒が必要だ(5月24日付・読売社説)

 南シナ海の海洋権益を巡り、軍事力を膨張させる中国とフィリピンとの対立が先鋭化してきた。
 対話を通じ、武力衝突を回避してもらいたい。

 南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)で4月10日、中国漁船がフィリピン海軍艦艇の立ち入り検査を受けたのを端緒に、中国が巡視船を派遣した。
 双方の艦船がにらみ合う状況が、もう1か月以上続いている。

 スカボロー礁を巡っては、中比双方が領有権を主張している。

 フィリピンは国際海洋法裁判所で領有権問題を解決するよう提案した。
 さらに、「アジア重視」の国防戦略を打ち出した米国と、合同軍事演習を行うなど軍事協力を緊密化した。
 中国の強大な軍事圧力に対抗するためだろう。

 これに対し中国は、「フィリピン側による事態の拡大に対応するための様々な準備ができている」と、強い警告を発した。

 フィリピンなど周辺国に比べて中国の海軍力は圧倒的だ。
 近い将来、空母配備の計画まである。中国は強硬姿勢を自制すべきだ。

 中国の旅行会社がフィリピン観光を中止し、中国政府が比産バナナに対する検疫強化にまで出たのは過剰な反応だ。
 フィリピン国内での反中デモの高まりやバナナの害虫を理由としているが、フィリピンを圧迫する狙いがあろう。

 一昨年秋、東シナ海の尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の後、レアアース(希土類)の輸出規制などで対日圧力を強めた手法と似通っている。

 尖閣諸島に対し領有権を主張する中国との摩擦を抱える日本にとっても、人ごとではない。

 尖閣諸島周辺では、中国の漁業監視船の示威行動が常態化している。
 漁船と監視船を組み合わせた行動で「中国の海」の既成事実化を図る中国の作戦は、南シナ海と同じだ。
 日本は東シナ海の南シナ海化を警戒せねばならない。

 南シナ海の平和と安定は、東南アジア諸国にとって不可欠であるだけでなく、シーレーン(海上交通路)の安全確保という観点から日本の国益でもある。

 日本は政府開発援助(ODA)を活用して、フィリピンに巡視船を供与する方針だ。
 フィリピンの海上警備の一助となるし、中国をけん制する上でも重要だろう。




サーチナニュース 2012/05/25(金) 12:59
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0525&f=politics_0525_010.shtml

日本の尖閣奪回作戦 自衛隊駐屯計画に進化する可能性

  産経新聞は、陸上・海上・航空自衛隊が尖閣諸島「奪回作戦」を策定したと伝えた。
 中国とフィリピンの黄岩島での対峙が続き、日本政府がこのタイミングに合わせてメディアを通していわゆる「奪回作戦」を公表したことについて、アナリストは、「テストバルーン」を打ち上げ、中国の反応を見ることが本当の目的だと見ている。
 中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
 以下は同記事より。

  中国政府が大きな反応を示さなければ、奪回作戦は将来的に自衛隊の尖閣諸島および周辺の島嶼への駐屯計画に進化する可能性がある。

  実は、日本の尖閣諸島における軍事計画は何年も前に始まっている。
 1997年出版の日本の月刊誌『軍事研究』に掲載された「自衛隊の尖閣諸島反撃計画」という文章には、自衛隊の作戦が詳細に記述された。

  文章には、
 「補給増援を断ち切ることで尖閣諸島を孤立させ、島部隊を弱体化させる。
 阻止作戦と封鎖目的の構築を実施すると同時に、戦闘爆撃機と武装ヘリコプターで尖閣諸島の火力陣地を粉砕し、1個中隊の空挺部隊が空挺を実施し、3―4個中隊の艦船部隊が北側から上陸して敵軍を消滅させ、尖閣諸島を奪還する」
とある。

  日本の尖閣諸島における兵力配備は、海上保安庁がメインで行う形から海上自衛隊と海上保安庁が共同で監視する形に変化し、周辺海域の情報偵察は自衛隊に委ねられている。

  海上自衛隊第1、第5航空群の対潜哨戒機P-3Cは周辺海域の上空で定期的に巡回、偵察を行っている。
 自衛隊は宮古島と久米島にレーダーサイトを設置しており、尖閣諸島と周辺海域の監視も担当する。
 防衛省は宮古島、石垣島、与那国島に自衛隊を配備することを検討しており、これも尖閣諸島の情勢に対応するためと見られる。

  そのほか、日本が「奪回作戦」を打ち出したのは、フィリピンの機嫌を取り、フィリピンを含むASEAN(東南アジア諸国連合)諸国を自分側に引き込み、中国を共同でけん制するためでもある。

  2012年3月にフィリピンのアキノ3世大統領が訪日した際、野田佳彦首相は
 「日本とフィリピンは戦略的利益を共有している」
と述べ、両国関係を強化する考えを表明した。
 アキノ大統領は、日本と海上の安全保障、防衛分野での協力強化を望む考えを示した。
 中国とフィリピンの関係が黄岩島問題によって緊迫状態にあるなか、日本は「奪回作戦」を公にし、中国の力を分散させてフィリピンの圧力を軽減しようとしているのだ。


 日本は中国を挑発し続けている。
 その挑発に賛辞を送っているのが周辺諸国。
 そのうち、中国はフィリッピンにバナナ規制をかけたように、日本に経済的イヤガラセを仕掛けてくるだろう。
 あるいは、民間人の軍事施設への立ち入りによる拘束とかいった、普段ならみてみぬふりをしているものへの締め付けを加えてくるだろう。
 昨今、中国は大国になったニュースと同じように、日本がその対抗勢力になったことを明確に打ち出すニュースに満ちあふれている。
 このアジアの2強のガチンコ対立はこれからどうなっていくのだろう。
 その行末で、アジアの将来も規定されてくるだろう。



レコードチャイナ 配信日時:2012年5月28日 11時8分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=61607&type=0

中国空軍、東シナ海有事に備え福建省に「秘密基地」建設=尖閣諸島へ12分で到着可

 2012年5月26日、台湾紙・聯合晩報は、中国が東シナ海のガス田「白樺」(中国名:春暁)や尖閣諸島の有事に備えた「最前線基地」となる軍用空港を福建省にほぼ完成させたと報じた。
 環球時報(電子版)が伝えた。

 記事によると、軍用基地の場所は同省北部の寧徳市霞浦県水門シェ族郷。 
 東シナ海のガス田「白樺」から約200km、尖閣諸島から約380km、台北市からは約246kmというまさに絶好のロケーション。
 台湾軍関係者によると、「白樺」へは戦闘機が離陸してから約7分、尖閣諸島へは約12分で到着する。

 すでに、新型戦闘機「殲10(J-10)」や「Su-30(スホーイ30)」、無人攻撃機、S-300長距離地対空ミサイルなどが配備されたもよう。
 記事によると、グーグル・アースの衛星写真で最初に空港建設が確認されたのは2009年。
 台湾軍関係者は位置的に考えて、東シナ海の有事に備えた「最前線基地」であることは間違いないとみている。






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